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[遺言はどうやって書けばいいの?]

遺言は主なものとしては「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」があります。

 

1.公正証書遺言

 遺言者が公証人役場にて証人二人の立会いのもと公証人に遺言内容を口頭で述べ、その内容を公証人が筆記、公正証書とする遺言が公正証書遺言です。

遺言者自身が公証人役場に出向けない場合は、公証人が自宅や病院に出張してくれます(もちろん出張に伴う報酬は支払う必要があります)。

私の事務所に依頼があった場合は、私(岩崎)と事務所のもう一人の税理士が証人となっております。

原本は公証人役場に保管されているので、遺言者にとっては安心確実です。

紛失したりした場合は再発行もできます。

また相続開始後には家庭裁判所の検認は不要です。

 

(一口メモ)

公証人はどんな人がなっているのでしょうか。

公証人の前職はほとんどが検事か、裁判官です。

特に、東京都内の公証人の前職は最高検察庁の検事、地方検察庁検事正、東京高等裁判所総括判事等そうそうたるものです。

任期は最長10年ですが、70歳になると定年です。

従って、検事や裁判官は、空きがあると定年をまたずに退官して公証人になっているケースがほとんどです。

 

2.自筆証書遺言

遺言者が、遺言する内容の全文、日付、名前を全て自書し、押印した遺言書を自筆証書遺言と言います。

これは必ず「自筆」しなければならず、ワープロ・パソコンで作成することはできません。

自筆証書遺言は手軽に作成できますが、相続開始後は家庭裁判所の検認が必要です。

封印のある遺言書は、家庭裁判所において、相続人又はその代理人の立会をもってしなければ、これを開封することはできないことになっております。

これに違反したときは過料に処せられることになっています。

 

(一口メモ)

家庭裁判所の検認とは、自筆証書遺言が本当に被相続人によって書かれたかどうか、生前の被相続人の書いた手紙等によって確認する手続きです。

これは、偽造や変造を防止するためのもので、仮にその遺言書が形式的に不備があっても家庭裁判所は却下することはできません。

したがって、検認を受けたことと、その遺言書が合法的であるか、違法であるかは関係ありません。

検認を受けても、それだけで直ちに遺言内容が法的拘束力を持つわけではありません。

相続人はいろいろな理由をつけて、その無効を主張することができます。

 

[遺留分]

相続人のうち、配偶者、直系卑属(子、孫)、直系尊属(親等)は遺言によっても侵すことができない権利があります。

これを「遺留分」といいます。

それは、それぞれの相続人の法定相続分の1/2です。

例えば、相続人が妻と子2名がいる場合に、遺言で長男に全部相続させるとしても、妻は法定相続分1/2×1/2=1/4。

他の子は、法定相続分1/4×1/2=1/8の権利があるのです。

また、妻子がいるのに「愛人に全部、財産をあげる」と遺言しても、妻子は全体で、財産の1/2の権利があります。

 

・遺留分の減殺請求

遺留分は何もしないともらえません。

自分の遺留分が侵害された場合には「遺留分の減殺請求」という手続が必要です。

遺留分の減殺請求権は、相続の開始を知り、かつ遺留分の侵害があったことを知った時から1年以内にしないと消滅してできなくなるので注意が必要です。

また、相続開始の時から10年を経過した時も同様です。 

 

[遺言書が複数存在する場合は、どれが有効か]

遺言書(公正証書遺言も含めて)が複数存在する場合は、最も新しい日付のものが有効となります。

 

[遺言があっても、それを無視して、相続人間で遺言の内容を異なる遺産分割協議書を作成して、遺産分割することはできるか]

原則的にはできます。

 

[遺言を作成する場合の注意点]

遺留分を侵害する内容で遺言が作成された場合、相続人間での遺留分をめぐって争いがしばしばおこります。

したがって、公正証書遺言を作成する場合、公証人は遺留分をなるべく侵さない遺言となるように助言します。

また、遺言でも遺産分割協議書による場合でも同様ですが、相続税の税額は財産の分け方によってずいぶん変わってくるものなのです。

例えば、夫が死亡し、一戸建ての自宅を残したとします。

敷地は240㎡、路線価(国税庁がそれぞれの土地につけた価格)が1㎡あたり500,000円と仮定します。

(1)妻が1人で全部相続した場合の土地の評価額は

  500,000円×240㎡×0.2=24,000,000円

(2)妻と他の所に住んでいる子の2人で共有持分1/2づつで相続した場合

 妻の分 500,000円×240㎡×1/2×0.2=12,000,000円

 子の分 500,000円×240㎡×1/2    =60,000,000円

                           72,000,000円 

以上のように、相続税の計算のもととなる財産の評価額がまるで異なってくるのです。

公証人は前職の故か、威厳のある雰囲気がある人が多く、税法でも何でも知っているかのような印象を与えますが、ほとんどの公証人は、相続税などはほとんど知らないのが実情です。

それゆえ、公証人に公正証書遺言の作成を依頼した場合、その助言は遺留分を侵害しないようにと、とどまるというのが実情です。

したがって、遺言を作成する場合はまず、税理士、公認会計士に相談していただきたいと思っております。

  

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