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私は一人息子で、父は亡くなり、母と一緒に住んでいました。
家、土地は母の名義でしたが、3年前に母が亡くなりました。
私は相続のことに無知で、相続登記もしていなく、相続税の申告もしておりません。
このたび、この家、土地を売りたいと思っています。
家は古く、ほとんど価値がないものの、土地は200㎡あり、3年前の路線価評価額は8,000万円です。
私はどうしたらよいのでしょうか。
このたび、この土地を売却するために、相続登記を行うことになりました。
税務署に何か手続が必要でしょうか。
私の主人は、財産額を超える借金を残して死亡しました。
それで、家庭裁判所に相続放棄の手続をとりました。
ところが、書類を整理していたら、私の知らない主人の生命保険の書類が出てきました。
私は、この生命保険金を受け取ることができるのでしょうか。
また、税務署にはどのように対処すればいいのでしょうか。
Q2.相続税の申告期限(相続が始まってから10ヶ月)までに遺産分割ができそうにありません。
何か不利なことはありますか。
A2.小規模宅地の評価減の特例や、配偶者控除の特例は相続の申告期限までに遺産分割を終えて、申告期限までに申告しないと適用することはできません。
したがって、相続人間で話し合いがつかない場合でも、何とか10ヶ月内に遺産分割を終える努力をすべきですが、どうしても分割できないときは、いったん特例を適用しないで期限内申告書を提出し、相続税を支払い、同時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出し、3年以内に分割された時に特例を適用した場合の相続税を計算して、「更正の請求」を税務署に提出して、差額の相続税を還付してもらえます。
Q3.「申告期限後3年以内の分割の見込書」を税務署に提出しておりましたが、遺産分割をめぐって裁判になっており、とても3年以内に分割することができません。
どうしたらいいでしょうか。
A3.申告期限後3年を経過した日に未分割であったとしても、家庭裁判所に審判を申し立てている場合や、裁判になっているなど、やむを得ない事由がある場合には、3年を経過した日から1ヶ月以内に税務署に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」をその事由を証する書類とともに提出をして、これらの事由が完結した日の4ヶ月以内に分割を行うことにより(実際は裁判等で分割が決まってしまいますが)、小規模宅地の特例や、配偶者控除の特例を受けて、払いすぎた相続税を還付することができます。
Q4.相続人が1名で何もしないで3年すぎてしまった。
私は一人息子で、父は亡くなり、母と一緒に住んでいました。
家、土地は母の名義でしたが、3年前に母が亡くなりました。
私は相続のことに無知で、相続登記もしていなく、相続税の申告もしておりません。
このたび、この家、土地を売りたいと思っています。
家は古く、ほとんど価値がないものの、土地は200㎡あり、3年前の路線価評価額は8,000万円です。
私はどうしたらよいのでしょうか。
A4.小規模宅地の特例(240㎡まで80%減)は申告期限までに分割を終えていることが要件です。平成27年1月1日以後の相続は330㎡まで80%減です。
あなたの場合には一人息子で相続人(母)が亡くなったと同時に、全財産をあなた一人で相続したことになります。
したがって、申告期限までに分割を終えていることになります。
したがって、相続税の申告期限後の現在でも、小規模宅地の特例を適用して申告することができます。
安心して、相続登記と相続税の申告をして、売却してください。
Q7.弔慰金等の取扱いについて
A7.次の弔慰金等は相続財産に入れないことになっています。
1.被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき
その雇用主から受取る弔慰金等のうち、被相続人の死亡時期における賞与以外の
普通給与の6ヶ月分。
2.被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき
賞与以外の給料の3年分
3.労災保険から受取る遺族補償給付、葬祭料等
4.健康保険、国民健康保険などによる葬祭料、弔慰金等
5.業務上の死亡により労働協約、就業規則等に基づいて雇用主から支給される
災害補償金、遺族見舞金等
※ 1. 2.の額の超過分はみなし相続財産の死亡退職金として扱われます。
Q10.実質的な相続放棄
このたび父が亡くなりました。
相続人は私(長女)と母と兄の3人です。
私は何も相続する気はなく、母と兄の2人で父の財産を相続することにしております。
尚、負債はありません。
この場合、私は相続を放棄するとして、家庭裁判所に何か手続をする必要があるのでしょうか。
A10.このような場合には家庭裁判所に何らの手続も必要ありません。
家庭裁判所における相続放棄の手続きは、財産よりも、負債が多すぎるために、財産も負債も承継しない場合に行うのです。
あなたの場合には、遺産分割協議書において財産を母と兄の2人が取得することを記載して、母と兄とあなたの3人が署名押印すればよいのです。
(これを実質的な放棄と呼ぶこともあります。)
Q12.相続放棄と生命保険金
私の主人は、財産額を超える借金を残して死亡しました。
それで、家庭裁判所に相続放棄の手続をとりました。
ところが、書類を整理していたら、私の知らない主人の生命保険の書類が出てきました。
私は、この生命保険金を受け取ることができるのでしょうか。
また、税務署にはどのように対処すればいいのでしょうか。
A12.相続放棄の手続をすると、生命保険金も受取れなくなるのではないかという疑問があるかもしれませんが、生命保険金は相続財産ではありませんから、相続放棄をして相続人でなくなっても受け取ることはできます。
相続税法上は、生命保険を相続財産とみなしていますが、あくまでみなしているだけであって、本来の相続財産ではないのです。
つまり、相続税法上は、相続を放棄した人が生命保険金を受け取った場合は、相続人以外の人が遺贈により取得したとみなされます。
尚、遺産にかかる基礎控除( 3,000万円+600万円×相続人の人数)
及び配偶者の相続税額の軽減については、相続を放棄した場合であっても放棄がなかったものとして扱われます。
また、この場合には、生命保険金の非課税分の計算の規定( 500万円×相続人の人数)の適用はありません。
したがって、生命保険金額が基礎控除額を超えている場合は、配偶者の相続税額の軽減の特例を適用して、相続税がゼロの場合でも申告する必要があります。
Q16.父の後妻と先妻の子の関係
私は父の先妻との間に生まれた一人息子です。
先妻の死後、数年たって父は再婚しました。
そして、父と後妻と私と三人で家業を成功させ、財産を築きました。
先般、父が亡くなり、父の遺産は義母(後妻)と私で半分づつ相続しました。
義母には子はいません
父が亡くなった際に相続税の申告を依頼した税理士に義母と養子縁組しなければ、あなたは相続権がないから義母と養子縁組をした方がよいといわれましたが、本当でしょうか。
A16.法律的には義母は父の妻ではあるけれど、あなたの母に当然になるわけではありません。
したがって、義母と法律的に親子関係になり、義母が亡くなったとき、相続人となるためには養子縁組する必要があります。
Q17.養子がいる場合の相続税計算上の法定相続人の数に含められる養子の数について
A17.相続税の計算においては、基礎控除額の計算、相続税額の総額の計算において、相続税法上の法定相続人の人数は重要な影響があります。
被相続人に養子がいる場合に、法定相続人に含められる養子の数について次のような制限が加えられています。
(1)実子がいる場合〜1名
(2)実子がいない場合〜2名
この場合の実子には、次の者も含められます。
イ.民法上の特別養子縁組による養子となった者
ロ.配偶者の実子で被相続人の養子となった者
ハ.実子若しくは養子又は直系尊属が相続開始前に死亡し、又は相続権を失ったため、相続人となったその者の直系卑属(孫等)
Q20.未成年者が相続人の場合
先日、私の夫が死亡し、相続人は私(妻)と17歳の娘の二人だけです。
この場合、何か留意すべきことがありますか。
A20.相続人の中に未成年者がいる場合に、未成年者は遺産分割協議書に署名押印はできません。
本来ならば、法定代理人である親が署名押印すべきですが、本事例のように親も相続人として遺産分割協議書に署名押印しますので、子とは利害が対立する関係になるので法定代理人になることはできません。
このような場合には、家庭裁判所から子の特別代理人を選任してもらう手続が必要です。
特別代理人は、おじさん、おばさんでもかまいません。
私の経験では、相続税の申告期限の10日前に私の事務所に初めて来た人がいて、あわてて東京家庭裁判所に行って事情を話し、早く選任してほしいと頼んだら4日後に選任の通知がきたことがあります。
Q23.特別縁故者への財産分与があった場合の課税関係
私はAさんと結婚はしなかったものの、長い間一緒に生活し看護していたところ、Aさんは亡くなり家庭裁判所により特別縁故者と認められ財産を分与されました。
私は相続税の申告をしなければならないのでしょうか。
A23.死亡した人に相続人がいなく、また遺言もない場合には遺産は利害関係人等の申立てにより選任された相続財産管理人が管理します。
更に、相続人の不存在であることが確定すると家庭裁判所への申立てにより、遺産は特別縁故者へ分与され残った財産は国庫に帰属します。
特別縁故者が財産の分与を受けたときは、遺贈により取得したとみなされて相続税がかかります。
相続税の申告と納税は財産の分与があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。
Q28. 胎児の相続権
私の夫は交通事故で6ヶ月前に急死し、その当時私は妊娠中であり夫の死後3ヶ月後に男の子が生まれました。
相続税に申告においてどう考えたらよいのでしょうか。
A28. 民法は886条において「胎児は相続については既に生まれたものとみなす(1項)」また「前項の規定は胎児が死体で生まれたときは適用しない(2項)」と規定しております。
すなわち、相続開始時(夫の死亡時)の胎児は夫の相続人になれる(生きて生まれた場合)ということです。
したがって、相続開始時に胎児で相続税の申告期限までに生まれた場合には、基礎控除額及び法定相続分の計算においては相続人の1人として計算します。
Q37.私の父は母の死亡後、炊事など面倒だと言い、まだかなり元気なうちから老人ホームに入所しました。
その後、脳梗塞を患い体が不自由になり介護保険法に規定する要介護認定を受けました。
その後も同一の老人ホームにおりましたが先日亡くなりました。
尚、以前住んでいた家は空家となっています。
また、私は日本中を転々とする職業で自己所有の家には住んだことがありません。
私が父の以前住んでいた家屋とその敷地を相続した場合、この家の敷地について小規模宅地の特例の適用はあるのでしょうか。
A37.老人ホームに入所した時には元気でピンピンしていても、その後、体が不自由になり要介護認定を受けて死亡直前までその状態が継続した場合には小規模宅地の特例の適用の可能性があります。
また、あなたは自己所有の家屋に住んだことがないということですから、結論的に言えば小規模宅地の特例の適用ができます。
Q38.いわゆる3年家なき子について
先日、私の父が死亡しました。私の父は一軒家で一人暮らしをしておりました。
私は一人息子でマンションを東京に持っているのですが、仕事の都合上、日本中を転勤してこの7年間は自宅マンションを賃貸しています。
このような場合、父が住んでいた実家の敷地を相続した場合に小規模宅地の特例(330㎡まで8割減)を適用して相続税の申告ができるのでしょうか。
A38.結論はできます。
この特例について世間ではよく「3年家なき子特例」だから相続人が自己所有の住居を持っていたら、この適用がないと思いがちですが誤解があります。
相続人が自分の家を所有していても、次の要件を満たしていれば適用できます。
(1)相続開始(死亡)前3年以内に自己または自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと。
(2)相続開始直前に被相続人が居住していた家屋に被相続人の配偶者及び被相続人の法定相続人がいないこと。
(3)その宅地を相続税の申告期限(死亡から10カ月)まで保有すること。
したがって、空家となったからといって直ぐに売却しないでください。
私が思うには、この特例は「3年家なき子特例」というよりは「3年自己の所有する家に住んでいない子特例」という方が正しいかと思います。
Q40.小規模宅地等の特例〜配偶者の所有する家屋に居住していて、その後に離婚した場合
父は母の死亡後、一人暮らしをしていて亡くなりました。
そこで父の暮していた家屋とその敷地を私が相続することになりました。
私は2年前に離婚をし、現在アパートを借りて住んでおります。
ところで、相続した親族が相続開始3年以内に日本国内にあるその者又はその配偶者の所有する家屋に居住したことがない者である場合には小規模宅地の特例を適用できるということですが、私は2年前に離婚するまでは妻の所有する家屋に居住しておりました。
この場合、小規模宅地の特例は適用できるのでしょうか。
A40.この場合の「その者の配偶者」とは相続開始直前において、その親族の配偶者である者とされております。
あなたは2年前に離婚していることから、相続開始直前においては配偶者はいないことになります。
したがって、小規模宅地の特例は適用できることになります。
Q43.連帯債務と債務控除
私の夫は昨年、貸アパートを新築しその資金を銀行から借りました。
その際に連帯債務者を求められ、私の父が連帯債務者になりました。
尚、連帯債務者間で負担部分に関する特約はありません。
また、この借入金はすべて夫が返済していました。
ところが一ヶ月前、夫が急死しました。
この場合、相続税の申告の際に借入金全額を債務控除できますか。
A43.連帯債務者間で負担部分に関する特約がなく、借入金の運用状況をみても、すべて夫が運用しアパートの名義も夫になっております。
したがって、実際に連帯債務による利益を享受しているのはすべて御主人なので、銀行借入金残高の全額を債務控除できます。
Q44.[相続分の指定と配偶者の税額軽減の特例]
私の夫は先日死亡し、自筆の遺言書が出てきました。
それによると次のように相続人の相続分を指定するものでした。
私(妻)が100分の60、長男が100分の20、次男が100分の20 というものです。
この場合、配偶者の税額軽減の特例を受ける為にはどうしたらよいのでしょうか。
A44.相続分の指定があったとしても、配偶者が取得する財産が確定したことにはなりません。
相続人間で遺産の分割が行われてはじめて配偶者の取得する財産が確定し、配偶者の税額軽減の特例を受けることができることになります。
したがって、遺言にそった遺産分割協議書を作成して申告してください。